THE BUSINESS DAY メモ
久しぶりの更新な気がします。
転職してから本当に時間が経つのが早い。。
メルカリ社主催のコーポレート職をテーマにしたイベントに参加してきたので、
その時のメモを残しておきます(敬称略)。ご参考になれば幸いです。
また一部聞き間違いがあるかもしれないので、その点はご容赦頂ければと思います。
修正してほしい事項がありましたらご一報ください。
しかしメルカリさんのパワーはすごいですね。
第一部 最強のコーポレート組織の作り方
元グリーの青柳さん×メルカリ小泉さん
▶︎グリーのIPO準備は10人で進めた
▶︎会社の拡大と整備に奔走しつつ、シナジー狙いで調達したKDDIとの協業を進めた
▶︎この時の時価総額は既存株主のGCPから2~30億と言われたが、50億になんとか引き上げた
▶︎メルカリはVCやエンジェルオンリー←事業会社の色をつけたくない
▶︎Zyngaが日本を席巻しているのを見て、グローバルで勝負する必要を感じた
▶︎OPは面で勝負するビジネスなので、まずは各国に張って勝てる市場を見極めた
▶︎海外組織構築は言語面を考慮して青柳さんが担当することに
▶︎たらればがあるとしたら、グローバル展開の直後にスマホがヒット、ネイティブシフトすべきだったかも
▶︎スマホのアプリはグローバルで勝負せざるを得ない
とはいえ、まずは国内で伸ばす(小泉さん)
▶︎グローバルの勝負って本当に重要?海外はとにかく0から組織を作るのでかなり大変
グローバルはどうしても目先の大きな目標を追いかけがちになる
▶︎自分たちの領域で言えばeBayが古くなっており、CtoCの覇権を握れるチャンス(小泉さん)
▶︎楽天やZOZOの国内の事業ドメインを増やし、基盤を確立し時価総額を上げてからの海外展開は賢い
▶︎未上場のメリットとして、定期的な開示が不要だったりSEO採用ができたりする
▶︎キャッシュが回る中でIPOしたのは、モバゲーがCM打っている中でマスを追いかけないと負けると判断した
▶︎ただし、当時の環境が今と同じだったらIPOしないだろう、自分がメルカリならIPOは引き延ばす
今は価値のあるSOや成長機会を想起させるなど未上場プレミアムがある
グリーIPO時はそもそもスタートアップという概念が国内で浸透していなかったので、採用力が落ちなかった
▶︎今はIPO前の会社の方が優秀な人が集まる、IPOして優秀な人が集まるのはmixiが最後
▶︎青柳さんは採用や社内文化の浸透への投資をポリシーとしている
法務や採用担当みたいなキーポジションにはお金を惜しみなく使いたい
北米の会社では採用専任を4人つけた
▶︎人数の拡大に合わせて組織づくりのメソッド、コミュニケーションが変わる
200人まではビジョン/ミッションに共感してくれる人が集まるが、それを超えるとやりたい仕事をするために人が集まる
▶︎プロダクトが強い会社はプロダクトが文化を作るために、不調になると求心力が大きく落ち始める
▶︎会社のバリューはとにかく目に付く所に置く、社員がバリューの言葉で遊び始めたら勝ち
評価もこれに沿って行うべき
▶︎事業部門と管理部門の兼務はお勧めできない、人間どうしてもどっちかに偏る
第二部 Techメディアから見る急成長スタートアップのPR戦略
TechCrunch岩本さん×BRIDGE平野さん×メルカリ中澤さん
▶︎メルカリは黒字化するまでは表舞台に出ること自体避けていた
▶︎メディア側から見ると経営陣がIR戦略に強いのが印象的だった
▶︎例えば、84億を調達した時に自分たちからユニコーンなんですよ、と言ってきた
▶︎特に小泉さんの立ち回りと数字の出し方がかなり上手い
あえてiOSとAndroidアプリのリリースを分けて、iOSの時にEVからの調達も同時発表、その1ヶ月後はユナイテッドからの調達を発表
つまり最初の1年は毎月リリースが止まらない状態だった
▶︎スタートアップはどうしてもグレーゾーンを走ることがある
ここで担当者不在とかにして時間経過による鎮火を目論むところは成功しない
メルカリはその点でネガティブ対応にしっかり担当者つけて懇切丁寧に説明する
▶︎これはmixiなどtech系大手から経験者を採用することで、緊急時のFAQがナレッジとして共有されている
▶︎メルカリやソラコムなどの急成長企業のPR戦略の共通点として、ひとつひとつのプレスに目的を持って臨んでいる
また、業績が好調な時、鈍化した時でメディア対応が変わる
▶︎リリースの内容に応じてメディアに合わせる必要は全くない
▶︎KPIで広告費換算置くのは良くない、ちなみにメルカリはIRにおいてKPIはなく、市況に応じた戦略重視
これは広報の内容がそのままDL数だったり採用人数に影響する以上、全社のKGIに左右されるため
▶︎サービスに関するニュース/記事はヤフコメやはてなでの反応があったらブランディングに成功していることの表れ
第三部 メガスタートアップのファイナンスの実情
GCP高宮さん×メルカリ長澤さん
▶︎高宮さんがメルカリに投資したのはリシーズBラウンド
ぶっちゃけ他のシリーズBと比較すると評価額が高かったが、チームの構成と山田さんへの信頼から額面通りで入れたかった
またエッツィが北米でリリースされ好調だったため、フリマ来るかもという予想も影響
▶︎GCPの投資委員会は、他のパートナーの「この企業は時代を象徴する企業になる気がする」という一声で決定
▶︎他の企業と比較すると、高速でサービスを改善してエグゼキューションする点は国内スタートアップでも圧倒的
これは山田さんを始め、小泉さん、石黒さんのように経験豊富で優秀な経営陣によるものだと思う
▶︎また、人数が50人に満たなかった段階で既に権限移譲が進んでいた
▶︎従って、投資して1年以内にはコンサル時代に担当していた大企業と同じ悩みを抱えていた
▶︎メルカリの累計調達額は約125億
▶︎Airbnbの例を見ると、敢えて上場せずに調達をするのは今後有力な選択肢になると思う
ただ、投資家のファンド期間は十分に気をつけた方がいい
▶︎でかいMAファームからキャリアパーソンをCFOでもなんでもなく一投資担当を連れてこれるのは、メルカリの採用力の賜物
普通はシリーズB~Cレベルだとそういう人を引っ張れない
採用だけじゃなく、コーポレート部門全体でレバレッジのかけ方が上手い
▶︎かつてリクルートから起業家が排出されたように、今後はメガベンチャーから良い起業家が生まれると思う
▶︎起業家をキャリアではなく、ライフスタイルとして位置付けるのが良いと思う、これからはそういう時代
第四部 急成長事業を支える管理部門の裏側
ユーザベース村上さん×メルカリ掛川さん
▶︎ユーザベースはIPOに向けて、最初は経理、その後は労務管理の専任をジョインさせた
▶︎100人が見えた段階で今度は総務専任者を採用、100人到達時に法務担当者、120人Overで広報担当者…
▶︎すなわち、事業計画に沿ってある程度採用する人を決めていた
IPOは過去数年の数字や活動を見られるのでガバナンスを最初から意識する必要がある
▶︎上場主幹事、監査法人は担当者との相性も重要、「この人と一緒に歩みたいか」
特にピンチ時に二人三脚で乗り越えられるかどうか
▶︎IPOは証券会社の審査と証券取引所の審査の2つのフェーズがあり、ユーザベースは前者では2名で担当
取引所の審査に移行するタイミングでもう1名追加、一部外注した
▶︎規定一つとっても実情にそぐうものじゃないと審査が通らない
▶︎とある企業が上場準備に入ったとき、予算に問題があった
これを見て、SPEEDAとNewspicksそれぞれにPLを作れる執行役員を配置した
▶︎IPO準備は地味で細かい作業が膨大な数あり、これを短期で捌き切るのでかなりのハードワーク
また、可能であれば資金調達や資本提携、オフィス移転を担当した人がそのままやるのがベター
▶︎ベンチャーの管理部門に金融系やコンサル出身者が多いのは、この作業を仲介者や外注先として経験しているため
▶︎ユーザベース、メルカリでは全ての従業員に税制適格SOを付与